設立目的・沿革

一般社団法人日本鉄リサイクル工業会は、鉄スクラップ専門業者と商社によって、昭和50年7月1日、通商産業大臣(当時)の許可を受けて社団法人日本鉄屑工業会として設立され、その後平成3年7月、社団法人日本鉄リサイクル工業会と名称変更いたしました。 平成24年4月、政府による公益法人制度改革に伴い一般社団法人へ移行いたしました。
会員は正会員703社(専業687、商社15、海外1)、登録事業所167事業所(専業131、商社36)、賛助会員113事業所で構成されております。(2024年2月末現在)
当工業会は、発足以来地球環境問題を重要視し、時代の変遷に速やかに対応しながら、リサイクル活動を通じて社会に貢献しております。
平和で豊かな日常生活は、全人類の願いです。この夢を実現するためには、先ず、地球環境の保全を図らなければなりません。
経済活動がより活発化されることで、日常生活や産業活動において排出される物は質的に多様化しています。その中には、資源として再利用できる物が数多く含まれています。限りある地球資源を共有財産として大切に保全を図りながら、次世代に引き継ぐ使命感を持つことが、今こそ重要ではないでしょうか。
私たちは、この崇高な理念を掲げ、主として「鉄スクラップ」の再資源化に地道に努力しております。もしも、この鉄スクラップのリサイクル産業がなかったとしたら、再利用できるものもゴミとして捨てられ、市中には処理されずにたまる一方のゴミで溢れかえり、資源の無駄使いは将来数倍、数十倍にもなって人類に返ってくることでしょう。私たちの仕事は、経済の発展に貢献しつつ、地球環境の保全にも役立っているのです。「鉄リサイクル産業」を理解していただくことを願いつつ、この案内を作成いたしました。

主な活動内容

1.関係各方面との折衝

経済産業省、環境省、国土交通省等、関係官庁とも各種折衝を行なっています。また一般社団法人日本鉄源協会、普通鋼電炉工業会など関連団体との意見交換も積極的に実施し相互理解に努めております。世界的なリサイクル組織であるBIR(Bureau of International Recycling)をはじめリサイクルポート推進協議会、中央労働災害防止協会等にも加盟し多方面における事業活動に参加しております。

2.業界の業務改善

業界の近代化促進、ソフト・ハード両面の技術向上、環境保全および労務問題等にかかわる研究・情報提供を行う他コンプライアンス、CSR、国際交流の分野でも幅広い活動を行っています。

  • 労働安全対策の推進
  • 法令遵守の徹底、法令改正・適正対応の周知徹底及びCSR活動の展開
  • 国際交流の推進
  • 金属リサイクル伝票の発行(※注)/「鉄リサイクル事業のマニュアルブック」の発行
  • 「各種啓発ポスター」の作成/配布

※注:金属リサイクル伝票とは

平成10年の廃棄物処理法改正において、産業廃棄物の処理を委託する場合、産業廃棄物管理票を使用することが義務付けられました。鉄スクラップは、廃棄物処理法において専ら物(=専ら再生利用の目的となる産業廃棄物)と認められ、業の許可や産業廃棄物管理票の使用は必要ありませんがスクラップの発生元では自分が排出したスクラップが適正に再生利用されたことを確認したいとする要求があります。金属リサイクル伝票は、専ら物スクラップの再生利用を証明するために工業会が発行している伝票で会員企業はこの伝票を利用して鉄スクラップの適正な処理の流れを証明します。ただし、この伝票は法律上の産業廃棄物管理票ではなく、専ら物である金属スクラップ以外には使用できません。

4.各種講習会、セミナー等の実施

広報紙「鉄リサイクルニュース」を年間3回発行し、業界ならびに工業会活動内容の理解推進を実施しています。また工業会ホームページでは、皆様のお役に立つニュースや最新情報、マーケット情報などを随時、更新し、会員のみ閲覧可能な会員専用ページも設け、より有益な情報の掲載に努めております。

5.全国大会の実施

業界内外の有識者をお招きしての講演会や若手後継者の育成を目的としたセミナーや研修会を企画・開催し業界のレベル向上に努めています。

6.斡旋事業

毎年、各支部主管による全国大会を開催しています。各支部が大会実行委員会を組織し、支部長指揮のもと各支部独自の有益で楽しいプログラムを企画します。全国各地から多くの会員が参加しお互いに懇親を深めます。平成15年以降は通常総会を同時に開催しています。

会員を対象に次のような斡旋事業を行っています。

  • ワイヤーロープの販売斡旋
  • 災害共済会 「施設賠償責任保険」「労働災害総合保険」等の損害保険

組織図

組織図

運営

会長・副会長・各支部長・各委員長・専務理事によって構成される各委員会の上部組織であり、工業会運営全般について総合的な見地から審議・検討を行ないます。

財務

本部、各支部、各部会会計等、工業会会計全般について管理します。中長期的財政計画、資金運用や円滑な会計システムの構築についても検討を行ないます。

商社流通

商社会員により構成され、商社としての機能を活かして工業会において実施される様々な事業をサポートしています。

業務対策

循環型社会の形成が推進されるにつれて、鉄リサイクル産業が担う役割は大きくなっています。そのような中で当委員会は貴重な鉄鋼原料として安定供給に資する回収システムや基盤整備等に関連する各種調査・事業を行っています。また、業界として労働安全衛生活動を促進し、更なる「安全、安心な職場」を構築するため、関係機関と連携しつつ、各種マニュアル、安全ポスター等を作成、啓蒙に取り組んでいます。

環境

時代の要請に応え、環境に係わる事項を広く取り上げ、当該情報の発信を行うとともに、その啓発に向けた事業を展開します。鉄リサイクル業におけるコンプライアンス、危機管理、企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)について取組み、その成果普及ならびに浸透に努めています。

広報

広報紙「鉄リサイクルニュース」や「FAX通信」を通じて工業会における各種事業概要や有益な業界関連情報、直近の市況動向等を発信し、業界の認識度の向上やレベルアップ並びに工業会のPRに努めています。同時に本会ホームページを活用し迅速な情報の発信を行なっています。また毎年セミナーを企画・開催し、次世代を担う若手経営者の育成にも寄与しています

国際
ネット
ワーク

国際商品である鉄スクラップを取り扱う我が業界にとって、海外市場の動向や調査研究が重要視されるなか、各国別・各地域別に異なる鉄リサイクル業の実態を把握するとともに、海外のカウンターパート(団体、企業等)との公的な交流や情報交換等を促進し両国間における認識の向上に努めています。近年では、国際会議への参加や海外の鉄鋼要人を招聘するなど実質的な国際ネットワークの構築に取り組んでいます。

自動車
リサイクル

自動車リサイクルの中枢を担う業界として使用済み自動車の適正処理やリサイクル率の向上を目指し、関係官庁や関係団体と協議を重ね自動車リサイクルを取り巻く様々な課題に取り組んでいます。

港湾

全国の港湾における鉄スクラップ船積みの実態や問題点などについて関係官庁と連携し調査・研究を実施、また港湾関係者から成る協議会に参加し意見交換を行うなど国際商品であるスクラップの円滑な流通に寄与しています。

役員

会長・副会長

代表理事会長(非常勤) 木谷謙介(株式会社シマブンコーポレーション代表取締役 社長執行役員)
代表理事副会長(非常勤) 猪鼻秀希(リバー株式会社 執行役員第一事業部長 兼 広域営業部長)
業務執行理事副会長(非常勤) 谷平竜幸(株式会社タニヒラ 代表取締役)
業務執行理事副会長(非常勤) 平林   実 (平林金属株式会社 代表取締役社長)
業務執行理事副会長(非常勤) 米田   剛 (エムエム建材株式会社 常務執行役員 製鋼原料本部長)