市況【2025年6月2日掲載】

Ⅰ. 市況報告

5月の鉄スクラップ国内市況は、上旬の連休明け後から各地で様子見の商状が続き、需要が振るわない中で軟調感が台頭、下旬には一部で下落した。1~3月に70ドル以上急騰した米国相場は4~5月にかけて70ドル近い急落となり、為替の円高の影響もあって国内市況の軟調感を強めている。4月の粗鋼生産は2か月振りに前年同月比減少に転じ、電炉鋼生産は9カ月連続の減少となった。東京製鐵九州工場は5月21日から鉄スクラップ全品種の購入価格を500円値下げした。輸出市場では輸入国側の引き合いが弱く、新規成約は難航している。
5月末のH2炉前価格は、関東が40,000~41,000円、関西(大阪・姫路)が40,500~42,000円となり、前月末比較では500円から1,500円の値下げとなった。

Ⅱ. 鉄鋼諸指標

(1)生産・在庫(2025年4月)

  生産・在庫量 前月比
粗鋼生産 6,605 602
(うち電炉) 1,775 134
メーカースクラップ在庫 3,185 92
小棒生産 550 42
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2025年3月の数値)■資料:日本鉄源協会

(2)輸出

  数量
(2025年4月)
前月比 単価
(2025年5月)
前月比
スクラップ 742 96 40,700 700
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字

(3)世界粗鋼生産

  生産量 前月比
2025年4月 155,700 10,500
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA)

(4)U.S.A.コンポジット価格

  価格(U.S.ドル) 操業率(%)
2025年4月 2週目 362.33 74.9
3週目 348.33 76.0
4週目 348.33 76.8
2025年5月 1週目 348.33 77.5
2週目 338.33 76.6
3週目 311.67 77.6
4週目 311.67 未入手
■資料:日本鉄源協会
*2023年4月の市況より、価格(月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)の掲載を中止致しました。

Ⅲ.鉄スクラップ市況

2025年5月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値

  月初 月末 入荷状況 見込み
北海道 37.0~38.0 37.0~38.0 100% 様子見
東北 39.5~40.5 39.5~40.5 100% 様子見
新潟 39.0~40.0 39.0~40.0 100% 軟調様子見
関東 40.0~41.0 40.0~41.0 100% 様子見
中部 40.0~41.5 40.0~41.5 100% 様子見
関西 41.0~43.5 41.0~42.0 100% 軟調様子見
姫路 41.0~43.0 40.5~42.0 100% 軟調様子見
中・四国 41.0中心 41.0中心 100%
九 州 41.0中心 40.5中心 100%
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社