Ⅰ. 市況報告
3月下旬に天井感が台頭した国内鉄スクラップ相場は、4月に入ると下げに転じた。大型連休に向かって大幅な下落が予想されにくい環境にあった為、想定外とも言える急落がマーケットに与えた影響は大きかった。月末のH2価格は、関東地区が@¥28,500~29,500、関西地区で@¥30,500~31,500と共に先月末比@¥3,000~4,000下落している。また、今回は、新断、HSの上級品種の値下げ幅がH2を上回っていることも特徴として挙げられる
国際市況も、欧米、アジア共全般的に下落が認められ、米国産のトルコ向け価格が一時No1HMSで@$306CFRと1か月で約@$20下がった他、米国内のコンポジット価格も@$295と@$20以上の下落が認められる。日本産の韓国向けH2の直近の成約価格は@¥31,000FOBと伝えられ、3月末より@¥3,000低いレベルとなっている。
国内外で、下げ一色のマーケット状況となっているが、最終週を迎え関東湾岸では輸出向けの船積みが増加しており、FAS価格が下げ渋りから一部値上げもある模様で連休明けの相場は注意を要する。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2019年3月)
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生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
9,084 |
+1,341 |
(うち電炉) |
2,302 |
+231 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,178 |
-3 |
小棒生産 |
765 |
+78 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2019年2月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)価格 (2019年4月/月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)
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価格 |
前月比 |
異形棒鋼 |
71,300 |
±0 |
H形鋼 |
88,000 |
±0 |
スクラップ |
31,000 |
-500 |
(単位:円)■資料:日本鉄源協会 |
(3)輸出
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数量 (2019年3月) |
前月比 |
単価 (2019年4月) |
前月比 |
スクラップ |
579 |
-90 |
31,800 |
-2,200 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(4)世界粗鋼生産
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生産量 |
前月比 |
2019年3月 |
155,009 |
+17,735 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(5)U.S.A.コンポジット価格
|
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2019年3月 |
2週目 |
318.33 |
83.4 |
3週目 |
318.33 |
82.9 |
4週目 |
318.33 |
83.1 |
2019年4月 |
1週目 |
318.33 |
82.2 |
2週目 |
295.00 |
82.8 |
3週目 |
295.00 |
82.3 |
4週目 |
295.00 |
(未入電) |
■資料:日本鉄源協会 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2019年4月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 31.0~32.5 |
27.5~29.5 |
100% |
弱含み様子見 |
東北
| 30.0~32.0 |
26.5~28.5 |
100%強 |
弱含み様子見 |
新潟
| 31.5~32.5 |
28.0~29.0 |
100% |
弱含み様子見 |
関東
| 32.5~33.5 |
28.5~29.5 |
100% |
様子見 |
中部
| 34.0~35.0 |
30.0~31.0 |
100%強 |
弱含み様子見 |
関西
| 33.5~34.5 |
30.5~31.5 |
100%強 |
様子見 |
姫路
| 34.0~34.5 |
30.5~31.0 |
100%強 |
様子見 |
中・四国
| 33.5中心 |
30.0中心 |
100%弱 |
様子見 |
九 州
| 35.0中心 |
31.0中心 |
100%強 |
様子見 |
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |