Ⅰ. 市況報告
1月の国内鉄スクラップ相場は年明けに一段安が進んだものの、中旬から下旬にかけては横ばい推移し、全国的に落ち着きを取り戻した。関東と関西ともに炉前価格の中心値が3万円を割り込んで以降は小動きとなり、月末時点のH2炉前渡しは関東が@¥29,000~29,500、関西が@¥29,000~30,000と前月末比¥500小幅に下落している。
韓国向け成約価格は日本産H2が¥28,500(FOB)、米国産No.1HMSが$302(CFR)にそれぞれ続落したものの、下押し圧力はすでに後退している。中国の鋼材価格やアジア圏のビレット価格が底打ちしたことで鉄スクラップ相場にも底値感が浮上しており、トルコ向け欧米スクラップ成約価格は早くも底値から$30反発している。
これに伴い日本産スクラップの新規輸出オファー価格も上昇へ転じており、ベトナムや台湾向け新規商談の再開が伝えられるなど、月末の輸出相場は反発局面を迎えている。国内でも今後、底堅い内需を追い風に値戻しが進むとの期待感が高まりつつある一方、3月には韓国へ米国産スクラップの大量入着が予定されるなど旧正月後の海外マーケットを不安視する声も根強く、国内相場は下げ止まり感を漂わせながらも先行き不透明感を残している。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2018年12月)
|
生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
8,467 |
-191 |
(うち電炉) |
2,179 |
-62 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,142 |
+95 |
小棒生産 |
704 |
-40 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2018年11月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)価格 (2019年1月/月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)
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価格 |
前月比 |
異形棒鋼 |
71,300 |
±0 |
H形鋼 |
88,000 |
±0 |
スクラップ |
28,200 |
-1,400 |
(単位:円)■資料:日本鉄源協会 |
(3)輸出
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数量 (2018年12月) |
前月比 |
単価 (2019年1月) |
前月比 |
スクラップ |
687 |
+184 |
29,400 |
+200 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(4)世界粗鋼生産
|
生産量 |
前月比 |
2018年12月 |
147,084 |
-1,533 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(5)U.S.A.コンポジット価格
|
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2018年12月 |
1週目 |
335.17 |
80.0 |
2週目 |
335.17 |
80.6 |
3週目 |
335.17 |
81.0 |
2019年1月 |
1週目 |
329.33 |
80.0 |
2週目 |
298.33 |
79.8 |
3週目 |
298.33 |
80.7 |
4週目 |
298.33 |
(未入電) |
■資料:日本鉄源協会 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2019年1月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 26.5~27.5 |
26.0~27.0 |
100% |
様子見 |
東北
| 29.0~30.0 |
28.5~29.5 |
100% |
様子見 |
新潟
| 29.0~30.0 |
28.5~29.5 |
100% |
軟調様子見 |
関東
| 29.5~30.5 |
28.5~29.5 |
100% |
軟調様子見 |
中部
| 29.5~30.5 |
29.0~30.0 |
100% |
様子見 |
関西
| 29.5~31.0 |
29.0~30.0 |
100% |
様子見 |
姫路
| 28.5~29.0 |
28.5~29.0 |
100% |
様子見 |
中・四国
| 28.5~29.0 |
27.5中心 |
100% |
様子見 |
九 州
| 31.0中心 |
30.5中心 |
100% |
様子見 |
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |