市況【2024年8月1日掲載】
Ⅰ. 市況報告
7月の鉄スクラップ国内相場は、中旬から始まったドル安・円高進行の影響を受けて下落した。為替の変化が円建て輸出価格を下押ししており、全国の電炉が立て続けに買値改定を実施した。東京製鐵は、工場・品目により値下げ幅に差はあるが、13日から27日までに5回もの値下げを行った。
2024年前半の国内鉄スクラップは、円安、発生・流通薄、東京製鐵の輸出対抗措置などから価格は5万円を中心に安定していたが、後半に入りその様相が大きく変化した。中長期的にはカーボンニュートラル絡みでの鉄スクラップの環境価値向上への期待はあるが、短期的には足元の為替の影響に振り回される市場を見ることとなった。
7月末のH2炉前価格としては、関東が50,000~51,000円、関西(大阪・姫路)が49,000~51,500円で、前月末比較ではいずれも約1,000円値下がりした。
2024年前半の国内鉄スクラップは、円安、発生・流通薄、東京製鐵の輸出対抗措置などから価格は5万円を中心に安定していたが、後半に入りその様相が大きく変化した。中長期的にはカーボンニュートラル絡みでの鉄スクラップの環境価値向上への期待はあるが、短期的には足元の為替の影響に振り回される市場を見ることとなった。
7月末のH2炉前価格としては、関東が50,000~51,000円、関西(大阪・姫路)が49,000~51,500円で、前月末比較ではいずれも約1,000円値下がりした。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2024年6月)
生産・在庫量 | 前月比 | |
---|---|---|
粗鋼生産 | 7,022 | -146 |
(うち電炉) | 1,897 | +12 |
メーカースクラップ在庫※ | 3,214 | -2 |
小棒生産 | 586 | +19 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2024年5月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)輸出
数量 (2024年6月) |
前月比 | 単価 (2024年7月) |
前月比 | |
---|---|---|---|---|
スクラップ | 604 | +84 | 50,250 | -550 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(3)世界粗鋼生産
生産量 | 前月比 | |
---|---|---|
2024年6月 | 161,400 | -3,700 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(4)U.S.A.コンポジット価格
価格(U.S.ドル) | 操業率(%) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
2024年6月 | 2週目 | 319.33 | 76.7 | ||||
3週目 | 310.00 | 77.0 | |||||
4週目 | 310.00 | 77.5 | |||||
2024年7月 | 1週目 | 310.00 | 76.3 | ||||
2週目 | 310.00 | 78.1 | |||||
3週目 | 310.00 | 78.3 | |||||
4週目 | 310.00 | 77.9 | |||||
■資料:日本鉄源協会 | |||||||
*2023年4月の市況より、価格(月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)の掲載を中止致しました。 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2024年7月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
月初 | 月末 | 入荷状況 | 見込み | |
---|---|---|---|---|
北海道 | 46.5~47.5 | 44.5~45.5 | 100% | 軟調 |
東北 | 50.5~51.5 | 49.0~50.0 | 100% | 軟調 |
新潟 | 50.5~51.5 | 49.5~50.5 | 100% | 軟調 |
関東 | 51.5~52.5 | 50.0~51.0 | 100% | 軟調 |
中部 | 50.5~52.0 | 49.0~50.5 | 100% | 軟調 |
関西 | 51.0~52.5 | 50.0~51.5 | 100% | 軟調 |
姫路 | 50.0~51.5 | 49.0~50.5 | 100% | 軟調 |
中・四国 | 51.5中心 | 49.0中心 | 100% | |
九 州 | 51.5中心 | 49.0中心 | 100% | |
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |