Ⅰ. 市況報告
5月の鉄スクラップ国内相場は、地域によって差はあったものの、全般的に需要・供給ともに精彩を欠いた状態で概ね様子見横ばい状態で推移した。5月9日の関東地区の輸出テンダーでは、落札値が52,590円と大手電炉のH2建値を若干上回る結果となり、直後に東京製鐵は4月に1,000円値下げしていた宇都宮工場のみ1,000円の値上げを実施した。その後、輸出市場は需要家の引き合いが伸び悩み、成約難が継続。日本国内も大きな動きがなく推移した。下旬には東京製鐵/田原工場の製鋼ラインに付帯する設備での損傷事故が発生し、同社は同工場向けのみ2,000円の値下げを実行したものの、域内需給に大きな緩みは生じず、中部地区のメーカーの多くは価格を据え置いた。
5月末のH2炉前価格は、関東が50,500~51,500円、関西(大阪・姫路)が50,000~52,500円で、前月末比較では関東において約500円の値下げとなった。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2024年4月)
|
生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
7,055 |
-141 |
(うち電炉) |
1,935 |
-117 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,192 |
+1 |
小棒生産 |
628 |
-16 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2024年3月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)輸出
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数量 (2024年4月) |
前月比 |
単価 (2024年5月) |
前月比 |
スクラップ |
472 |
-44 |
51,800 |
+900 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(3)世界粗鋼生産
|
生産量 |
前月比 |
2024年4月 |
155,700 |
-5,500 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(4)U.S.A.コンポジット価格
|
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2024年4月 |
3週目 |
326.67 |
77.3 |
4週目 |
326.67 |
76.6 |
5週目 |
326.67 |
77.0 |
2024年5月 |
1週目 |
326.67 |
77.2 |
2週目 |
324.00 |
77.8 |
3週目 |
320.00 |
78.1 |
4週目 |
320.00 |
未入手 |
■資料:日本鉄源協会 |
*2023年4月の市況より、価格(月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)の掲載を中止致しました。 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2024年5月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 46.0~46.5 |
47.0~47.5 |
100% |
様子見 |
東北
| 49.0~49.5 |
50.0~50.5 |
100% |
様子見 |
新潟
| 49.5~50.5 |
50.5~51.5 |
100% |
様子見 |
関東
| 50.0~51.0 |
50.5~51.5 |
100% |
様子見 |
中部
| 50.5~51.5 |
49.5~51.5 |
98%~100% |
様子見 |
関西
| 51.0~52.5 |
51.0~52.5 |
100%~100%強 |
様子見 |
姫路
| 50.5~51.5 |
50.0~51.5 |
100%~100%強 |
様子見 |
中・四国
| 51.5中心 |
51.5中心 |
100% |
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九 州
| 51.5中心 |
51.5中心 |
100% |
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(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |