Ⅰ. 市況報告
11月の国内鉄スクラップ市況は、10 月と同様な傾向が続き需給双方とも様子見状態が続いた。11月1日には輸出市場の若干の弱含みを受けて東京製鐵が500円～1,000円の値下げを発表した。しかし、全国的に追随する動きもなく、その後11月を通じての国内価格は横ばい推移となった。11月9日の関東地区輸出テンダーの落札値は5万円を多少上回ったものの、国内炉前価格に相当する範囲であり、市況へのインパクトは殆どなかった。
一方、10月の日本の輸出量は2年4か月ぶりの高水準を記録した(約697千トン)。韓国向けは同国不動産市場の低迷からくる鉄鋼需要減少の影響で振るわなかった。フィリピンでは中華系電炉が立ち上がったこともあり、同国向けが昨年の3倍ほどに増えている。また品種別では新断類の輸出が増加傾向にあるが、カーボンニュートラル絡みで将来に向けて国内の上級スクラップ（新断、HS）の需要が伸びると言われており今後の輸出動向が注目される。
11月末のH2炉前価格は、関東が￥49,500～51,000、関西（大阪・姫路）が￥50,000～51,500で、前月末比較では関東、関西ともにほぼ横這いであった。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
（1）生産・在庫（2023年10月）
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生産・在庫量 |
前月比 |
| 粗鋼生産 |
7,524 |
＋496 |
| （うち電炉） |
2,051 |
＋165 |
| メーカースクラップ在庫※
|
3,302 |
＋87 |
| 小棒生産 |
634 |
＋19 |
| （単位：千トン ※メーカースクラップ在庫は2023年9月の数値）■資料：日本鉄源協会 |
（2）輸出
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数量
（2023年10月） |
前月比 |
単価
（2023年11月） |
前月比 |
| スクラップ |
697 |
＋172 |
49,900 |
－300 |
| （単位：[数量]千トン／[単価]月平均 東京湾FOB円）■資料：日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
（3）世界粗鋼生産
| |
生産量 |
前月比 |
| 2023年10月 |
150,000 |
＋700 |
| （単位：千トン）■資料：世界鉄鋼協会（WSA） |
（4）Ｕ.Ｓ.Ａ.コンポジット価格
| |
価格（U.S.ドル） |
操業率（％） |
| 2023年10月 |
2週目 |
320.00 |
74.1 |
| 3週目 |
320.00 |
74.3 |
| 4週目 |
320.00 |
73.9 |
| 2023年11月 |
1週目 |
320.00 |
73.2 |
| 2週目 |
332.00 |
73.8 |
| 3週目 |
335.00 |
73.4 |
| 4週目 |
335.00 |
未入手 |
| ■資料：日本鉄源協会 |
| ＊2023年4月の市況より、価格（月平均価格、東京・中部・関西三地区平均）の掲載を中止致しました。 |
Ⅲ．鉄スクラップ市況
2023年11月末、Ｈ2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
| 北海道
| 45.5～46.5 |
45.5～46.0 |
100％ |
様子見 |
| 東北
| 48.5～49.5 |
49.0～50.0 |
100％ |
様子見 |
| 新潟
| 49.0～50.0 |
49.0～50.0 |
100％ |
様子見 |
| 関東
| 50.0～51.5 |
49.5～51.0 |
100％ |
様子見 |
| 中部
| 49.0～50.0 |
48.5～50.0 |
100％ |
様子見 |
| 関西
| 50.5～51.5 |
50.0～51.5 |
100％ |
堅調様子見 |
| 姫路
| 50.0～51.0 |
50.0～51.0 |
100％ |
堅調様子見 |
| 中・四国
| 51.0中心 |
50.5中心 |
100％ |
|
| 九 州
| 51.0中心 |
50.5中心 |
100％ |
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| （単位：千円）■出所：日刊市况通信社 |
