Ⅰ. 市況報告
4月下旬をピークに値下げに転じた国内鉄スクラップ市況は、7月にかけて下げ基調が続いた。8月も弱含み感が拭えないまま迎えたが、中旬以降に一転して急反発するという激しい展開をみせた。関東地区では8月初めから輸出船積みが続いたことに加え、関東鉄源協同組合の8月10日の落札価格が地場電炉価格を上回ったことが全国的に影響を与えた。その後も海外からの日本産鉄スクラップに対する引き合いが増加。大手電炉メーカーが輸出に対抗する姿勢を鮮明に打ち出したこともあり、価格は急上昇した。8月末のH2炉前価格は、関東が¥46,000~47,000、関西が¥46,000~47,500とともに前月末比約6,000円高く、8 月は価格が反騰した月となった。また、約4万円の水準で底値を迎えたため、日本の鉄スクラップの価格帯(レンジ)が新たなステージに入ったとの見方もある。
一方、カーボンニュートラルで注目される日本の高炉の購入量及び中国の輸入量は大方の予想に反し今年も伸びておらず、将来どのタイミングで増えるのかが注目されている。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2022年7月)
| |
生産・在庫量 |
前月比 |
| 粗鋼生産 |
7,326 |
-123 |
| (うち電炉) |
1,974 |
-174 |
| メーカースクラップ在庫※
|
3,224 |
+106 |
| 小棒生産 |
659 |
-35 |
| (単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2022年6月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)価格 (2022年8月/月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)
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価格 |
前月比 |
| 異形棒鋼 |
114,800 |
-1,600 |
| H形鋼 |
123,700 |
+700 |
| スクラップ |
39,300 |
-6,300 |
| (単位:円)■資料:日本鉄源協会 |
(3)輸出
| |
数量 (2022年7月) |
前月比 |
単価 (2022年8月) |
前月比 |
| スクラップ |
435 |
-53 |
43,150 |
+250 |
| (単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(4)世界粗鋼生産
| |
生産量 |
前月比 |
| 2022年7月 |
149,300 |
-1,800 |
| (単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(5)U.S.A.コンポジット価格
| |
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
| 2022年7月 |
2週目 |
389.33 |
78.9 |
| 3週目 |
360.00 |
79.6 |
| 4週目 |
360.00 |
78.4 |
| 2022年8月 |
1週目 |
360.00 |
78.2 |
| 2週目 |
360.00 |
79.0 |
| 3週目 |
333.33 |
79.7 |
| 4週目 |
333.33 |
79.3 |
| ■資料:日本鉄源協会 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2022年8月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
| 北海道
| 36.0~37.0 |
42.0~43.0 |
100%強 |
強含み |
| 東北
| 35.5~37.5 |
42.5~44.5 |
90~100%弱 |
強含み |
| 新潟
| 38.0~39.0 |
44.0~45.0 |
100%弱 |
強含み |
| 関東
| 39.5~40.0 |
46.0~47.0 |
100%弱 |
強含み |
| 中部
| 40.5~41.5 |
45.5~46.5 |
100%弱 |
強含み |
| 関西
| 41.5~42.5 |
46.5~47.5 |
100%弱 |
強含み |
| 姫路
| 41.0~41.5 |
46.0~46.5 |
100%弱 |
強含み |
| 中・四国
| 42.0中心(陸上) |
47.0中心(陸上) |
100%弱 |
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| 九 州
| 42.0中心(陸上) |
48.0中心(陸上) |
100%弱 |
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| (単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |