Ⅰ. 市況報告
4月下旬をピークに値下げに転じた国内鉄スクラップ市況は、その後一貫して下げ基調が継続し、7月末を迎えてもまだ底値は見えていない。月末のH2炉前価格は、関東が¥39,500~40,500、関西が¥41,000~42,500とともに前月末比約10,000円安く、7 月は価格の下げが加速した月となった。輸出商談は難航しており、関東地区の湾岸FAS価格は7月末時点で¥36,500~38,000中心と4万円の大台を切る事態となっている。
2月末のロシアのウクライナ侵攻に端を発し世界的に急騰した鉄スクラップ市況は、侵攻後5か月を経過し、その値上げ分が剝げ落ちただけでなく一転して大幅下落に見舞われている。ロシア産の安価な半製品がトルコ、中東、アジア地区に流入したことも鉄スクラップ相場に下落圧力をもたらしているとされ、鉄スクラップ市況は世界的に軟化傾向にあり、先安観は払しょくされていない。
8月は電炉の夏季炉休が集中することが予想され、日本国内は弱基調が続くと見通され底値圏が見えてこない。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2022年6月)
|
生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
7,449 |
-616 |
(うち電炉) |
2,148 |
+18 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,118 |
+40 |
小棒生産 |
694 |
±0 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2022年5月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)価格 (2022年7月/月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)
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価格 |
前月比 |
異形棒鋼 |
116,400 |
-400 |
H形鋼 |
123,000 |
+2,200 |
スクラップ |
45,600 |
-7,700 |
(単位:円)■資料:日本鉄源協会 |
(3)輸出
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数量 (2022年6月) |
前月比 |
単価 (2022年7月) |
前月比 |
スクラップ |
488 |
-74 |
42,900 |
-9,600 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(4)世界粗鋼生産
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生産量 |
前月比 |
2022年6月 |
151,100 |
-10,400 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(5)U.S.A.コンポジット価格
|
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2022年6月 |
2週目 |
420.00 |
80.5 |
3週目 |
393.33 |
80.2 |
4週目 |
393.33 |
80.9 |
2022年7月 |
1週目 |
393.33 |
79.3 |
2週目 |
389.33 |
78.9 |
3週目 |
360.00 |
79.6 |
4週目 |
360.00 |
未入電 |
■資料:日本鉄源協会 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2022年7月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 47.0~48.0 |
36.0~37.0 |
100%強 |
続落 |
東北
| 47.5~48.5 |
35.5~37.5 |
100%強 |
続落 |
新潟
| 49.0~50.0 |
38.0~39.0 |
100%強 |
続落 |
関東
| 50.0~51.0 |
39.5~40.5 |
100%強 |
続落 |
中部
| 53.0~54.0 |
40.5~41.5 |
100%強 |
続落 |
関西
| 52.0~53.0 |
41.5~42.5 |
100%強 |
続落 |
姫路
| 51.5~52.0 |
41.0~41.5 |
100%強 |
続落 |
中・四国
| 52.0中心 |
42.0中心(陸上) |
100%強 |
続落 |
九 州
| 52.0中心 |
41.5中心(陸上) |
100%強 |
続落 |
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |