Ⅰ. 市況報告
1月の国内鉄スクラップ相場は全国的に軟調推移したが、月末にかけては新規輸出相場の反発を背景に下げ止まりの様相を呈した。月末のH2炉前価格は関東が前月比一部¥1,000安の¥51,000~52,000、関西が同¥1,000~1,500安の¥52,500~54,000に続落しているが、関東ではすでに安値修正の値上げが出始めている。
国内炉前価格に比べ安値に低迷にしていた輸出価格が1月に入り上昇に転じたことで、値下げ余地を残していると受け止められていた国内価格の下落に歯止めをかける形となった。韓国向けH2輸出価格は月初の¥47,000(FOB)から月末には¥52,000(FOB)へと¥5,000切り上がり、これに刺激を受ける形でベトナムや台湾向け輸出価格も値戻し機運を高めつつある。
また鉄鉱石や原料炭など高炉原料価格の年明けの再上昇と半導体不足に伴う自動車の減産がそれぞれ、HS、新断ちに先高感をもたらし、上級品種も上伸基調を再び鮮明にし始めている。製品や半製品価格の海外市況が上向く中、国内鉄スクラップ相場は2月以降、本格的な反発局面を迎えるとの見方が増えている。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2021年12月)
|
生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
7,934 |
-106 |
(うち電炉) |
1,995 |
-212 |
メーカースクラップ在庫※
|
2,769 |
+51 |
小棒生産 |
619 |
-69 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2021年11月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)価格 (2022年1月/月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)
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価格 |
前月比 |
異形棒鋼 |
94,700 |
+300 |
H形鋼 |
109,700 |
±0 |
スクラップ |
49,900 |
-2,300 |
(単位:円)■資料:日本鉄源協会 |
(3)輸出
|
数量 (2021年12月) |
前月比 |
単価 (2022年1月) |
前月比 |
スクラップ |
495 |
+15 |
50,600 |
-2,200 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(4)世界粗鋼生産
|
生産量 |
前月比 |
2021年12月 |
158,700 |
+15,400 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(5)U.S.A.コンポジット価格
|
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2021年12月 |
2週目 |
465.00 |
81.8 |
3週目 |
465.00 |
81.6 |
4週目 |
465.00 |
80.9 |
2022年1月 |
1週目 |
発表無し |
82.3 |
2週目 |
465.00 |
83.2 |
3週目 |
406.67 |
81.9 |
4週目 |
406.67 |
未入電 |
■資料:日本鉄源協会 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2022年1月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 47.5~48.5 |
47.5~48.5 |
100% |
様子見 |
東北
| 50.5~51.5 |
50.0~51.0 |
100% |
様子見 |
新潟
| 50.0~51.0 |
49.5~50.5 |
100% |
様子見 |
関東
| 51.0~53.0 |
51.0~52.0 |
100% |
様子見 |
中部
| 52.5~53.5 |
52.0~53.5 |
100% |
様子見 |
関西
| 54.0~55.5 |
52.5~54.0 |
100% |
様子見 |
姫路
| 53.5~54.0 |
53.0~54.0 |
100% |
様子見 |
中・四国
| 54.0中心 |
54.0中心 |
100% |
様子見 |
九 州
| 54.0中心 |
54.0中心 |
100% |
様子見 |
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |