Ⅰ. 市況報告
7月の国内鉄スクラップ相場は高値修正局面を迎え、東日本や中部地区を中心に¥500~1,500反落した。月末のH2炉前価格は関西が@¥50,500~51,500と5万円台を保った一方、関東は@¥48,500~49,500に下落し、東西格差が目立ち始めている。新型コロナウイルスの感染再拡大やトルコ向け市況の値下げを背景に新規輸出相場では韓国向けH2成約価格が¥47,000(FOB)と国内より一段安を形成し、国内相場を安値誘導する構図が続いた。市中では発生の夏枯れで余剰感は指摘されていないが、夏季減産期を迎えて国内需要も落ちており、H2相場は今後も軟調推移するとの見方が出ている。
一方で、国内外で需要が旺盛な上級品種はH2とは対照的に堅調感を保ち、HSと新断ちともに国内高炉メーカー向けや輸出FOB価格の多くが6万円台に切り上がっている。中でも新断ちの輸出価格は¥64,000~65,000(FOB)に続伸しており、H2との価格差は¥17,000~18,000と空前の規模に拡大している。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2021年6月)
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生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
8,108 |
-314 |
(うち電炉) |
2,104 |
+14 |
メーカースクラップ在庫※
|
2,899 |
-277 |
小棒生産 |
688 |
+58 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2021年5月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)価格 (2021年7月/月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)
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価格 |
前月比 |
異形棒鋼 |
87,300 |
+3,300 |
H形鋼 |
96,300 |
+3,600 |
スクラップ |
47,000 |
+400 |
(単位:円)■資料:日本鉄源協会 |
(3)輸出
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数量 (2021年6月) |
前月比 |
単価 (2021年7月) |
前月比 |
スクラップ |
749 |
+49 |
48,000 |
-1,400 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(4)世界粗鋼生産
|
生産量 |
前月比 |
2021年6月 |
167,900 |
-7,000 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(5)U.S.A.コンポジット価格
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価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2021年6月 |
2週目 |
461.67 |
82.9 |
3週目 |
461.67 |
82.7 |
4週目 |
461.67 |
83.0 |
2021年7月 |
1週目 |
461.67 |
83.6 |
2週目 |
461.67 |
84.1 |
3週目 |
461.67 |
84.6 |
4週目 |
461.67 |
未入電 |
■資料:日本鉄源協会 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2021年7月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 46.0~47.0 |
45.5~46.5 |
100% |
様子見 |
東北
| 47.0~48.0 |
47.0~48.0 |
100% |
様子見 |
新潟
| 46.5~47.5 |
46.5~47.5 |
100% |
様子見 |
関東
| 49.0~50.0 |
48.5~49.5 |
100% |
様子見 |
中部
| 50.5~51.5 |
49.0~50.0 |
100% |
様子見 |
関西
| 50.0~51.5 |
50.5~51.5 |
100%弱 |
様子見 |
姫路
| 50.0~51.5 |
50.0~51.0 |
100% |
様子見 |
中・四国
| 51.0中心 |
50.5中心 |
100% |
様子見 |
九 州
| 50.0中心 |
49.0中心 |
100% |
様子見 |
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |