Ⅰ. 市況報告
11月に大きく上昇した国内鉄スクラップ市況は、12月に入ってもその勢いは止まらず急騰という表現が相応しい展開となった。需給ギャップは解消されず、電炉メーカーは購入価格を連日のように改定して入荷促進を図っている。現状のH2の関東地区、関西地区の価格は＠￥42,000～43,500を形成し、前月末比1万円以上上がったことになる。
海外市況も、大きく上昇しておりトルコ向け欧米産HMSが＄470CFRとこちらも前月比＄100以上アップしている。海外の上昇も、コロナ禍による供給量の減少が需要増を吸収しきれていないことにある。また、中国の新年からの製鋼用鉄スクラップの輸入再開の観測もマーケットの先高感を後押ししており、実際に輸入契約が報道されればマーケットに大きな影響を与えることが予想される。
一方で、最終週になって売り手側に高値警戒感も出始めてきたようで、電炉への入荷好転も報じられている。この動きが年末特有の荷動き好転に留まるのか、市況の反落に繋がるかを見極めるにはもう少し時間が必要である。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
（1）生産・在庫（2020年11月）
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生産・在庫量 |
前月比 |
| 粗鋼生産 |
7,264 |
＋64 |
| （うち電炉） |
1,977 |
＋79 |
| メーカースクラップ在庫※
|
3,187 |
－10 |
| 小棒生産 |
691 |
＋36 |
| （単位：千トン ※メーカースクラップ在庫は2020年10月の数値）■資料：日本鉄源協会 |
（2）価格 （2020年12月／月平均価格、東京・中部・関西三地区平均）
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価格 |
前月比 |
| 異形棒鋼 |
66,500 |
＋2,300 |
| Ｈ形鋼 |
75,800 |
＋1,400 |
| スクラップ |
34,100 |
＋7,700 |
| （単位：円）■資料：日本鉄源協会 |
（3）輸出
| |
数量
（2020年11月） |
前月比 |
単価
（2020年12月） |
前月比 |
| スクラップ |
689 |
－232 |
39,400 |
＋8,900 |
| （単位：[数量]千トン／[単価]月平均 東京湾FOB円）■資料：日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
（４）世界粗鋼生産
| |
生産量 |
前月比 |
| 2020年11月 |
158,261 |
－3,617 |
| （単位：千トン）■資料：世界鉄鋼協会（WSA） |
（５）Ｕ.Ｓ.Ａ.コンポジット価格
| |
価格（U.S.ドル） |
操業率（％） |
| 2020年11月 |
3週目 |
249.33 |
71.5 |
| 4週目 |
249.33 |
70.6 |
| 5週目 |
249.33 |
71.4 |
| 2020年12月 |
1週目 |
316.67 |
70.9 |
| 2週目 |
316.67 |
73.2 |
| 3週目 |
316.67 |
72.3 |
| 4週目 |
316.67 |
74.6 |
| ■資料：日本鉄源協会 |
Ⅲ．鉄スクラップ市況
2020年12月末、Ｈ2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
| 北海道
| 27.5～29.5 |
34.5～36.5 |
100%弱 |
強含み |
| 東北
| 28.5～29.5 |
39.0～40.0 |
100％弱 |
堅調 |
| 新潟
| 28.0～29.0 |
39.5～40.5 |
100％弱 |
強含み |
| 関東
| 29.5～30.5 |
42.0～43.0 |
100％弱 |
堅調 |
| 中部
| 31.0～32.0 |
41.5～43.0 |
100％弱 |
強含み |
| 関西
| 31.5～33.0 |
42.5～43.5 |
100％弱 |
強含み様子見 |
| 姫路
| 31.0～32.0 |
42.0～42.5 |
100％弱 |
強含み様子見 |
| 中・四国
| 31.5中心 |
41.5中心 |
100％ |
強含み様子見 |
| 九 州
| 30.0中心 |
41.0中心 |
100％弱 |
強含み様子見 |
| （単位：千円）■出所：日刊市况通信社 |
