Ⅰ. 市況報告
9月の国内鉄スクラップ相場は中旬までは輸出相場主導で騰勢を強めたが、海外相場が頭打ちになると、4連休後には国内でも踊り場を迎えた。月末時点のH2炉前価格は関東と関西ともに@¥26,500~27,500程度を形成し、前月末比¥1,000~1,500高値にある。
関東鉄源協同組合と関西鉄源連合会が実施した共同輸出向け販売入札では落札価格がともに@¥29,000(FAS)を超える高値を付け、ベトナム向けH2輸出成約価格は一時@$310~315(CFR)へ続伸したが、月末時点では@$290~295(CFR)に反落し、韓国向け成約価格も@¥27,000(FOB)と直近高値から¥1,500切り下がっている。
海外では9月上旬に@$301~302(CFR)に続伸したトルコ向けHMS成約価格が月末時点では@$296(CFR)へ後退し、$300を割り込んでいる。加えて、上昇を続けていた鉄鉱石価格や中国の鋼材価格も高値修正の動きを見せたことで、鉄スクラップ相場は国際的に調整局面入りしたとの見方が出始めている。半面、日本では高炉、電炉ともに製品値上げを相次ぎ打ち出す「値上げの秋」を迎えており、国内鉄スクラップ相場は先行き警戒感と根強い先高期待が入り混じりながら下期を迎えている。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2020年8月)
|
生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
6,446 |
+397 |
(うち電炉) |
1,551 |
-85 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,505 |
-73 |
小棒生産 |
610 |
-48 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2020年7月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)価格 (2020年9月/月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)
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価格 |
前月比 |
異形棒鋼 |
62,400 |
+100 |
H形鋼 |
73,400 |
-100 |
スクラップ |
24,000 |
+2,700 |
(単位:円)■資料:日本鉄源協会 |
(3)輸出
|
数量 (2020年8月) |
前月比 |
単価 (2020年9月) |
前月比 |
スクラップ |
671 |
-57 |
28,100 |
+1,600 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(4)世界粗鋼生産
|
生産量 |
前月比 |
2020年8月 |
156,244 |
-435 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(5)U.S.A.コンポジット価格
|
価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2020年8月 |
2週目 |
211.67 |
61.5 |
3週目 |
211.67 |
63.0 |
4週目 |
211.67 |
61.7 |
2020年9月 |
1週目 |
245.00 |
63.7 |
2週目 |
245.00 |
65.1 |
3週目 |
245.00 |
64.5 |
4週目 |
245.00 |
未入電 |
■資料:日本鉄源協会 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2020年9月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 22.5~24.0 |
22.5~24.0 |
100% |
様子見 |
東北
| 22.0~24.0 |
23.0~25.0 |
100% |
強含み |
新潟
| 24.0~25.0 |
25.0~26.0 |
100% |
強含み |
関東
| 26.0~26.5 |
26.5~27.0 |
100% |
一部高値修正 |
中部
| 24.0~25.5 |
25.5~27.0 |
100% |
様子見 |
関西
| 24.5~25.5 |
26.5~27.5 |
100% |
様子見 |
姫路
| 25.5~26.5 |
25.5~26.5 |
100%弱 |
様子見 |
中・四国
| 25.5中心 |
25.5中心 |
100%弱 |
様子見 |
九 州
| 26.5中心 |
27.0中心 |
100%弱 |
様子見 |
(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |