Ⅰ. 市況報告
7月の鉄スクラップ国内市況は、月初に東京製鐵が関東と九州を除く全国5拠点で鉄スクラップ購入価格を500円/トン引き下げたのを始め、電炉筋の価格改訂が広がる中で東海、西日本で下落、翌週には関東2拠点の500円値下げによって東日本相場も500円ほど下落した。その後は電炉の夏季減産が始まる中で軟調様子見の状況が続いている。6月の電炉鋼生産は前月比で増加したものの、前年同月比では11カ月連続で減少しており、上半期(1~6月累計)では前年比6.6%減となった。東南アジア向けを中心に高水準で推移していた鉄スクラップ輸出量は、6月には前年同月比で8カ月ぶりにマイナスとなった。但し、上半期では前年比19.5%増の382万トンであり、単純な年換算では約760万トンとなるが、その場合は過去5年間で最も多い数量となる。海外市況は値動きが少なく様子見横ばいの状況で、米国コンポジット価格は5月第3週以降、11週連続で同価格となっている。
7月末のH2炉前価格は九州を除く全地域で500円~1,000円値下がりし、安値はいずれも40,000円を割っている。
Ⅱ. 鉄鋼諸指標
(1)生産・在庫(2025年6月)
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生産・在庫量 |
前月比 |
粗鋼生産 |
6,718 |
-117 |
(うち電炉) |
1,895 |
+134 |
メーカースクラップ在庫※
|
3,304 |
+16 |
小棒生産 |
569 |
+32 |
(単位:千トン ※メーカースクラップ在庫は2025年5月の数値)■資料:日本鉄源協会 |
(2)輸出
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数量 (2025年6月) |
前月比 |
単価 (2025年7月) |
前月比 |
スクラップ |
561 |
-87 |
40,300 |
-1,100 |
(単位:[数量]千トン/[単価]月平均 東京湾FOB円)■資料:日本鉄源協会 ※価格はヒアリングベースの独自数字 |
(3)世界粗鋼生産
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生産量 |
前月比 |
2025年6月 |
151,400 |
-6,200 |
(単位:千トン)■資料:世界鉄鋼協会(WSA) |
(4)U.S.A.コンポジット価格
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価格(U.S.ドル) |
操業率(%) |
2025年6月 |
2週目 |
311.67 |
79.4 |
3週目 |
311.67 |
79.6 |
4週目 |
311.67 |
79.1 |
2025年7月 |
1週目 |
311.67 |
78.6 |
2週目 |
311.67 |
78.7 |
3週目 |
311.67 |
78.0 |
4週目 |
311.67 |
78.4 |
■資料:日本鉄源協会 |
*2023年4月の市況より、価格(月平均価格、東京・中部・関西三地区平均)の掲載を中止致しました。 |
Ⅲ.鉄スクラップ市況
2025年7月末、H2ベース、メーカー炉前価格、実勢値
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月初 |
月末 |
入荷状況 |
見込み |
北海道
| 36.5~37.5 |
36.0~37.0 |
100% |
様子見 |
東北
| 39.5~40.5 |
39.0~40.0 |
100% |
様子見 |
新潟
| 38.5~39.5 |
38.0~39.0 |
100% |
様子見 |
関東
| 40.0~41.0 |
39.5~40.5 |
100% |
様子見 |
中部
| 40.0~41.0 |
39.0~40.5 |
100% |
様子見 |
関西
| 40.0~41.0 |
39.5~41.0 |
100% |
様子見 |
姫路
| 40.0~41.0 |
39.0~41.0 |
100% |
軟調様子見 |
中・四国
| 40.5中心 |
40.0中心 |
100% |
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九 州
| 39.5中心 |
39.5中心 |
100% |
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(単位:千円)■出所:日刊市况通信社 |